独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)は7月1日、傘下の高級スポーツカーメーカー、ポルシェがドイツの新興企業Serva Transport Systems(以下、Serva)を買収すると発表した。Servaは新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響を受け、財務が悪化していた。ポルシェは傘下のベンチャー・キャピタル(VC)のポルシェ・ベンチャーズを通してServaを買収し、同社の事業継続と雇用を維持する。なお、同取引の成立には、競争当局などの認可が必要となる。
Servaは、輸送ロボットとソフトウエアを組み合わせた無人輸送システムを提供している。同社の技術の活用により、構内運搬の自動化や、自動車の自動駐車システムなどが可能になる。同社は2010年の設立で、本社はドイツのローゼンハイムに置く。従業員は約70人。
独日刊紙『フランクフルターアルゲマイネ』によると、Servaは、コロナ禍により中国における大型受注を失い、財務が悪化、会社更生手続きの開始を申請していた。
ポルシェは、電気自動車「タイカン」の生産工程における自動搬送システムでServaと協力関係にあった。『フランクフルターアルゲマイネ』紙によると、Servaは、ポルシェのほか、アウディ、デュッセルドルフ空港などを顧客に持つ。