独自動車部品大手のコンチネンタルがこのほど開発した大型商用車向けの後付け運転支援システム。レーダーセンサーにより、車両の右側に位置する自転車や歩行者を認識し、右折時の事故を防止する。2020年夏から専門店を通して販売を開始する予定。
コンチネンタルの特殊車両アフターマーケット部門の責任者であるゲオルク・クリーヴァー氏は同システムの特長について、「カメラや超音波ベースのシステムと異なり、レーダーベースのセンサーでは、本当に自転車や歩行者であるかどうかを認識することができる。簡単に設置できるのも特長だ」と説明する。
同システムは、車内ディスプレーを必要とせず、ケーブルを新たに設ける必要もない。後部確認用のサイドミラーにレーダーを設置するため、車体に穴を開ける必要もない。車両にすでに搭載されているCAN-BUSを使用してデータ通信する仕組み。
ただし、2メートル以上の高さに設置する必要がある。コンチネンタルによると、ほぼすべてのバスや大型トラックは当該条件をクリアすることができる。
コンチネンタルでは現在、小型商用車向けのレーダー技術をベースにしたシステムの開発にも取り組んでいる。
同システムでは、車両の横4メートル、車両前面から後部14メートルの範囲を監視エリアとする。VRUソフトウエア(VRU:交通弱者)がレーダーセンサーの情報を分析し、例えば、監視エリア内に自転車を認識すると、警告音や視覚で警告する。
ゲオルク・クリーヴァー氏は、コンチネンタルでは、過剰な情報量によりドライバーが混乱しないよう配慮しており、意図的にディスプレーを使用しないシステムの開発を決めたと説明する。ただし、希望があればオプションとしてディスプレーの設置も可能としている。