三菱ケミカル(東京都千代田区)は7月30日、ドイツの炭素繊維リサイクル事業者であるCFK Valley Stade Recycling(CFK)とcarboNXT(cNXT)の2社を買収すると発表した。スイスのチューリヒにあるグループ会社Mitsubishi Chemical Advanced Materials(MCAM)を通して実施する計画で、8月上旬に買収を完了する予定。
三菱ケミカル・ホールディングスグループは中長期経営基本戦略「KAITEKI Vision 30」において循環型経済(サーキュラーエコノミー)の推進に取り組んでいる。炭素繊維および炭素繊維コンポジットの製造から製品回収、リサイクルまでを網羅する体制を構築し、リサイクルした製品は原料としてグループで再利用する。今回の買収は、同取り組みの一環であり、欧州でも循環型経済の構築を推し進める。
CFKは炭素繊維を使用したプリプレグなどの中間材を加工する際に発生する端材を自動車業界などの顧客から回収するネットワークを保有しており、回収した端材をリサイクルする技術も持つ。cNXTは当該リサイクル製品の販売を事業としている。
なお、両社の買収は、株式取得ではなく、製造設備等の資産譲渡および営業権など他のすべての権利義務の承継を行う方式で実施する。