英高級車メーカーのジャガーランドローバー(JLR)は21日、廃車のアルミニウム部品を新車生産のために活用するリサイクル活動「リアリティ・プロジェクト」においてアルミ合金の生産に伴う二酸化炭素(CO2)排出量を4分の一減らせる技術を開発したと発表した。アルミ部品の循環型生産プロセスを確立することで排出量およびアルミ原料の調達コストの削減につながると期待している。
JLRは同プロジェクトで、自社ブランドの車両や家電製品の部品から回収したアルミを少量の一次アルミニウムと混合処理し、同社の品質基準に合致するリサイクルアルミ合金の生産に成功した。これにより通常の合金生産と比べてCO2を最大26%削減できるという。リサイクルアルミ合金は同社の新車生産に利用する。
「リアリティ・プロジェクト」の予算規模は200万ポンド。英政府の産業助成機関「イノベートUK」が資金支援している。
JLRによると、2013年9月から20年3月にかけて約36万トンの金属スクラップを回収し、アルミ材料などに再利用している。14年からリサイクル材料を最大75%使用した自動車用アルミ合金「RC5754」をジャガー「XE」の構造部品に採用している。