輸入物価が09年10月以来の下げ幅に、4月は-7.4%

ドイツ連邦統計局が6月2日発表した4月の輸入物価指数は前年同月比7.4%減となり、2009年10月以来の大きな下げ幅を記録した。前年同月割れは12カ月連続。新型コロナ危機を背景にエネルギーの低下率が前月の41.3%から54.6%へと大幅に拡大したことで全体が強く押し下げられた。エネルギーを除いた輸入物価はマイナス1.2%だった。

エネルギーで最も下げ幅が大きかったのは原油で、68.9%に達した。電力(52.6%減)、石油製品(52.3%減)、天然ガス(39.2%減)、石炭(24.0%減)も2ケタ台の低下となっている。

中間材は4.0%減となり、下げ幅は前月の3.0%から拡大した。非鉄金属鉱石が16.8%、樹脂が11.3%、電子部品が8.0%、銑鉄・鉄鋼・鉄合金が7.9%下落。鉄鉱石も1.3%低下した。貴金属は27.8%増となり、これまでに引き続き大きく上昇した。

投資財は0.2%減となり、下げ幅は前月の0.5%から縮小した。前年同月を割り込むのは7カ月連続。スマートフォンとタブレットPCがそれぞれ10.9%、10.3%下落。機械は1.1%、自動車・自動車エンジンは1.4%、計測・制御・ナビ機器等は1.9%上昇した。

耐久消費財は0.7%増だった。

非耐久消費財はプラス1.1%となり、上げ幅は前月を0.3ポイント下回った。

農産物は6.8%増となり、上げ幅は前月と同水準を保った。パプリカが37.3%、豚が27.3%、かんきつ類が18.4%、コーヒー生豆が17.2%上昇。根菜類は17.5%、穀物は2.5%落ち込んだ。

4月の輸入物価指数は前月比では1.8%減となり、4カ月連続で低下した。エネルギーは21.6%減で、エネルギーを除いた輸入物価は下落幅が0.3%だった。

4月の輸出物価指数は前年同月比が1.1%減、前月比が0.4%減となっている。

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