自動車部品大手の独ZFフリードリヒスハーフェンが従業員の最大1割を今後5年で削減する意向だ。新型コロナ危機を受けて需要が減少していることから、生産能力を調整する考え。ヴォルフヘニング・シャイダー社長が従業員に宛てた文書をもとにロイター通信などが報じた。
同社の従業員数は14万8,000人に上る。そのうち1万2,000人~1万5,000人を2025年までに整理する考え。ドイツ本国は削減数全体のおよそ半分を占めることになる。コロナ危機が長期化すると予想しており、すでに実施している操短と給与削減だけでは対処できないとしている。同社長は「(2年後の)2022年でも売上高は計画を大幅に下回る」との見方を示した。
財務が悪化する結果、融資契約を解除されたり、融資行と債権者の経営介入を招く事態への危機感も表明した。背景には米同業TRW、ワブコの買収に際し巨額の融資を受けたことがある。
買収資金融資契約では通常、営業利益などを一定水準以上に保つことが義務付けられており、これを順守できないと契約解除や経営介入を招く恐れがある。シャイダー社長は「我々はそうした事態を回避し、独立を保ちながらZFウェイを歩み続けたい」と訴えた。