BlackCycle

仏タイヤ大手のミシュランが主導する廃タイヤ(ELT)のリサイクルに関する欧州プロジェクト。使用済みタイヤから原材料を回収し、新しいタイヤの生産に利用する循環経済の技術・仕組みの構築を目指す。

実施期間は2020年5月1日~2023年4月30日までの3年。フランス、スペイン、ドイツ、ギリシャ、スイスの欧州5カ国から13社・機関・組織(産業パートナー7社、研究組織5機関、イノベーション・ククラスター1組織)が参加している。

また、プロジェクト予算約1,600万ユーロのうち、欧州連合(EU)は研究・技術開発枠組み計画「ホライズン2020」を通してプロジェクト予算の75%に相当する約1,200万ユーロを支援している。

当該プロジェクトでは、廃タイヤの回収、原料の選別、熱分解処理の最適化、油脂分の精製 、炉工程の最適化、持続可能なタイヤの性能評価などの研究に取り組む。

プロジェクトの終了後、早くて5~6年で欧州における廃タイヤの約5割がこのような循環サイクルを通して再利用できると予想している。

世界では毎年16億本(2,600万トン超)のタイヤが販売されており、ほぼ同量の廃タイヤが発生していることから、原材料を回収・再利用する潜在性は高いと見られている。ただ、廃タイヤの処理は現在、循環経済のプロセスに組み込まれていないため、タイヤ産業で再利用可能な原料の多くが活用されていない状況にある。欧州でも使用済みタイヤから再利用可能な原料を得るためのノウハウが十分に確保されていないため、廃タイヤおよび中古タイヤの半数以上が国外に輸出されている。

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