CO2多排出車の税額を大幅引き上げ、SUVに打撃

二酸化炭素(CO2)排出量が多い車両の自動車税を引き上げる方向でドイツ政府が法改正の準備を進めている。財務省の法原案をもとにロイター通信が8日、報じたもので、現在、省庁間の調整が行われている。排気量が大きいSUVは税額が大幅に増えることから、SUVを重要な利益源とする自動車メーカーにとっては大きな痛手となりそうだ。

車両税の額は動力源の種類と排気量の大きさ、およびCO2の排出量に基づいて決定される。排気量に基づく課税部分は100立方センチメートル(ccm)当たりガソリン車で2ユーロ、ディーゼル車で9.5ユーロ。CO2排出量に基づく課税部分は走行1キロメートル当たりの排出量が95グラム以下であれば非課税で、それを超えると1グラム当たり一律2ユーロが課される。排気量

1,000ccm、CO2排出量135グラムのガソリン車であれば税額は100ユーロ(排気量部分が20ユーロ、CO2排出量部分が80ユーロ)となる。電気自動車(EV)は内燃機関を持たずCO2を排出しないことから非課税だ。

政府はCO2排出量に基づく課税部分を改正する方向で法案を作成している。具体的にはCO2排出量が多ければ多いほど、1グラム当たりの課税額が高くなるという累進型の税体系へと改める考え。排出量95グラム以下は非課税、同95~115グラムは2ユーロとする現行ルールを据え置くものの、115グラム超の車両では税額を引き上げる。法原案には115~135グラムで2.2ユーロ、135~155グラムで2.5ユーロ、155~175グラムで2.9ユーロ、175~195グラムで3.4ユーロ、195グラム超で4ユーロとすることが明記されている。195グラム超の車両ではCO2排出量に基づく課税部分の負担が倍増することになる。

政府はこのルールを導入することで、電動車や環境負荷の少ない車両の需要を喚起し、同国のCO2排出量を削減する考えだ。

上部へスクロール