キュアヴァク―政府が23%出資、ワクチン開発支援へ―

バイオ医薬品開発の独キュアヴァク(テュービンゲン)は15日、ドイツ政府から出資を受けることを明らかにした。同社は新型コロナウイルス用ワクチンを開発しており、政府はこれを支援するとともに、外資による買収を阻止する意向だ。

キュアヴァクはタンパク質合成のための情報を持つRNA分子であるメッセンジャーRNA(mRNA)をベースとする医薬品の開発に取り組んでいる。体内に侵入した病原体を撃退するためのたんぱく質の製造情報を、mRNAを通してヒトの細胞に伝達する技術を持つ。

同社はこの技術を用いて新型コロナワクチンを開発しており、5月中旬に前臨床試験の結果を発表した。今月中にも治験の第1段階に当たる第1相臨床試験を開始する予定だ。

政府は政策金融機関のドイツ復興金融公庫(KfW)を通してキュアヴァクの第3者割当増資を引き受け、3億ユーロを投資する。出資比率は約23%。経営には介入しない。

政府・与党は新型コロナ危機で大幅に悪化した経済の立て直しに向けた総額1,300億ユーロの景気対策案を3日に取り決めた。そのなかで治療薬・ワクチン製造の分野で欧州域外への依存度を引き下げる政策を打ち出しており、ペーター・アルトマイヤー経済相は今回の投資を「この方向に向けた第一歩」と位置付けた。

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