自動車大手の独ダイムラー(シュツットガルト)は17日、ベトナムのバス市場に参入すると発表した。東南アジア事業を強化する狙い。現地同業のチュオンハイ自動車(THACO)と手を組んで同国市場のニーズに見合った製品を投入する。
ダイムラーは下半期からブラジル南部のサン・ベルナルド・ド・カンポ工場で生産したシャシー部品をTHACOに提供。THACOはこれをチュライ工場でシャシーに組み立てたうえで車両を生産し、自らの販売網で売りさばく。
THACOはホーチミンに本社を置くベトナム最大の自動車メーカーで、大型トラックやバス、乗用車を生産している。従業員数は2万人。ダイムラーとは以前から協業関係にあり、三菱ふそうの製品を取り扱っている。
東南アジア(台湾を含む)は人口が6億2,200万人と欧州(5億人)や米国(3億人)を上回るうえ、人口の半数以上が30歳未満と若い。市場の将来性が高いことから、ダイムラーは同市場の開拓をグローバル戦略上、重視している。
ベトナムのバス市場規模は年3,500台(8トン超)で、東南アジアで2番目に大きい。観光バスと乗り合いバスは移動手段として重要な役割を担っている。