排ガス不正問題でサプライヤーに立ち入り捜査、不正開発に協力の疑い

自動車大手フォルクスワーゲン(VW)とサプライヤー大手のコンチネンタルを対象に独検察当局が1日、立ち入り調査を実施した。VWの違法なディーゼルエンジン開発に絡んだもので、コンチネンタルは社員が同開発に協力した疑いを持たれている。

コンチネンタルは本社所在地ハノーバーのほか、フランクフルト、レーゲンスブルクの拠点で立ち入り捜査を受けた。同社は声明で、捜査に全面的に協力する意向を表明したうえで、「わが社は排ガス値を違法に操作するためのソフトウエアを顧客に供給したことはない」と強調。容疑を全面的に否認した。

VWはディーゼルエンジン「EA189」を開発し、グループの車両に大量に搭載した。同エンジンには違法な制御ソフトウエアが搭載されており、台上試験と実際の路上走行の違いを認識し窒素酸化物(NOx)の浄化装置が台上試験でのみ働くようになっていた。この事実は15年9月に発覚した。

dpa通信が検察情報として報じたところによると、コンチネンタルに07年に買収されたシーメンスの自動車部品部門VDOは、EA189向けの制御ソフトを開発した。その際に、VDOの社員がVWの要望に応えて違法ソフトを開発した疑いが浮上している。

捜査担当者はロイター通信に、詐欺ほう助と偽造文書提示の容疑でコンチネンタル社員を捜査していることを明らかにした。技術者7人とプロジェクト主任2人が対象となっている。

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