フォルクスワーゲン―ID.シリーズ投入に合わせて充電サービス開始―

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW、ヴォルフスブルク)は20日、電気自動車(EV)専門ブランド「ID.シリーズ」の市場投入に合わせて充電サービス「ウィ・チャージ」を欧州で開始すると発表した。顧客が公共充電ステーションを利用しやすい環境を整え、EVの販売を促進する考えだ。

同サービスでは顧客のニーズに合わせて「ウィ・チャージ・フリー」「ウィ・チャージ・ゴー」「ウィ・チャージ・プラス」の3種類の料金体系を用意する。「フリー」は充電を主に自宅で行い公共充電ステーションをあまり利用しないドライバー向けのベーシックサービスで、月々の基本料金がかからないものの、1キロワット時(kWh)当たりの料金は最も高くなる。また、VWが出資する高速充電サービス会社イオニティ以外のサービスを利用する際は毎回、手数料がかかる。

「ゴー」は基本料金(7.49ユーロ、)がかかるものの(IDシリーズの第一弾に当たる「ID.3」では無料)、1kWh当たりの料金はフリーに比べて安い。イオニティ以外のサービスを利用しても手数料はかからない。

「プラス」は基本料金が17.49ユーロ(ID.3では9.99ユーロ)と高いものの、1kWh当たりの料金は最も安い。イオニティ以外のサービスを利用しても手数料はかからない。

3料金体系とも利用開始に当たって9.99ユーロの初回料金がかかるが、年内であれは無料となる。

VWはID.3の引き渡しを9月初旬から開始する。

イオニティは2017年、自動車大手のBMW、ダイムラー、フォード、フォルクスワーゲン(VW)グループの4社合弁として設立された。出力350キロワットの高速充電ステーションを欧州に整備し、EVで長距離走行しやすい体制を整える。現在、約250カ所に設置済み。最終的に400カ所に拡大する計画だ。

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