ライフサイエンス大手の独バイエル(レバークーゼン)は4日発表した2020年4-6月期(第2四半期)決算で過去最大の純損失95億4,800万ユーロ(前年同期は4億400万ユーロの黒字)を計上した。除草剤「グリホサート」と卵管避妊器具「エシュア」を巡る損賠訴訟で巨額引当金を計上したことが響いた格好。本業のもうけを示す営業利益(EBITDA、特別費計上前)は農業化学部門がけん引車となり5.6%増の28億8,300万ユーロへと拡大した。
売上高は100億5,400万ユーロで、6.2%減少した。事業の買収・売却と為替変動を除いた実質ベースでは減収幅が2.5%だった。売上高営業利益率は28.7%で、前年同期の25.5%から上昇した。
農業化学部門のEBITDA(同)は28.4%増の13億6,500万ユーロへと拡大した。米同業モンサント買収のシナジー効果が大きい。
医療用医薬品部門のEBITDAは7.1%減の13億6,800万ユーロへと後退した。新型コロナウイルス感染症の流行を受けて緊急性の低い手術などが延期され、売上高が9.7%落ち込んだことが響いた。一般医薬品部門のEBITDAも新型コロナの流行に伴う販売減で10.9%減の2億5,400万ユーロと振るわなかった。
同社は新型コロナ危機を受けて、20年12月期の業績予測を下方修正。実質売上高を従来予測の「3~4%増の440億~450億ユーロ」から「430億~440億ユーロ」、EBITDAを同「7.0~9.6%増の123億-126億ユーロ」から「121億ユーロ」へと引き下げた。