EU統計局ユーロスタットが1日に発表したユーロ圏の8月の失業率は8.1%となり、前月の8.0%から0.1ポイント悪化した。失業率の上昇は4カ月連続。各国はコロナ禍で景気が落ち込む中、雇用支援策を講じているが、失業者の増加を抑えきれず、緩やかなペースではあるものの失業率の増加が続いている。(表参照)
EU27カ国ベースの失業率は前月を0.1ポイント上回る7.4%。主要国はドイツが横ばいの4.4%。イタリアは前月を0.1ポイント下回る9.7%だった。スペインは16.2%、フランスは7.5%で、それぞれ0.3ポイント、0.4ポイントの幅で悪化した。
欧州各国はコロナ禍に伴う失業を抑えるため、雇用支援策を実施しているが、財政負担が大きく、一部で縮小の動きが出ている。多くの国で新型コロナウイルスの新規感染者が再び増加し、経済・社会活動を制限する措置が再強化される例も出ていることから、観光・外食業などを中心に雇用の悪化が進み、今後も失業率が上昇するのは避けられない見通しだ。