ドイツ連邦統計局が20日発表した9月の生産者物価指数は前年同月比1.0%減となり、8カ月連続で低下したものの、下げ幅は4カ月連続で縮小した。新型コロナ危機に伴うエネルギー価格下落の幅が狭まっていることが大きい。エネルギーを除いた同物価はマイナス0.2%だった。
エネルギーは3.3%減となり、下げ幅は前月の同3.9%から狭まった。電力の上げ幅が前月の0.9%から2.6%へと拡大したことが大きい。産業施設向け電力が5.8%、再販事業者向けが同2.4%上昇。特別契約顧客向けは0.1%、取引所価格は3.8%落ち込んだ。
石油製品は低下率が14.4%から17.9%へと膨らんだ。下げ幅は灯油で34.0%から44.7%、自動車燃料で2.2%から14.3%へと拡大した。液化石油ガスの価格はプラス0.2%となり、前月のマイナス11.0%から上昇に転じた。
天然ガスは8.2%減となり、低下率は前月(9.9%)から縮小。産業向けは22.7%から17.5%、再販事業者向けは11.4%から9.9%へと狭まった。
中間財は1.3%低下した(前月-2.0%)。古紙が14.5%、銑鉄・鉄鋼・鉄合金が8.3%、紙が6.5%、化学原料が6.0%下落。貴金属は24.2%増とこれまでに引き続き大幅に上昇した。建設用砂利と砂も5.9%増と上げ幅が大きかった。
非耐久消費財は0.1%減となり、下落へと転じた。豚肉が16.3%減と大幅に低下している。コロナ禍で飲食店からの需要が減ったほか、野生のイノシシがアフリカ豚熱に感染していることが確認されたことを受けて中国などアジア諸国がドイツ産豚肉の輸入を禁止したことが背景にある。砂糖は19.6%、コーヒーは2.7%上昇した。
耐久消費財は1.4%増、投資財は0.9%増だった。
生産者物価指数は前月比では0.4%増となり、2カ月ぶりに上昇した。エネルギーが1.0%、中間財が0.4%上昇。耐久消費財は横ばい、非耐久消費財は0.2%減、投資財は0.1%減だった。