英上場域内企業の株取引、EU当局が一部容認

EUの金融規制当局である欧州証券市場監督機構(ESMA)は10月26日、域内の投資家が英ロンドンに上場するEU企業の株式を同市場でポンド建てで売買することを今後も認める方針を示した。二重上場している域内企業の株式を英国のEU離脱の移行期間が終了する21年1月以降にロンドンで取引できなくなるという懸念が浮上していることに対応した措置となる。

EUには域内の投資家による株式取引について、EUと同等の規制、監督システムが機能していると認定していない国での取引を禁じるルールがある。英国が同等かどうかを判断する「同等性評価」が遅れているため、域内とロンドンに二重上場しているEU企業(国際証券識別番号=ISINがEUの番号となっている企業)の株式を移行期間終了後にロンドンで売買できなくなる可能性があった。

ESMAはこうした懸念を払しょくするため、こうしたケースの取引もポンド建てであれば同ルールの適用対象外とし、移行期間終了後も認めることを決めた。

ESMAによると、ISINがEUとなっている企業のロンドン上場は50社に満たず、EUの株式取引に占める割合は1%未満という。

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