ユーロ圏の銀行、企業向け融資基準が厳格化

ユーロ圏の銀行が新型コロナウイルス感染の再拡大を受けて、融資基準を厳格化している。ECBが10月27日に公表した2020年10月の銀行貸出調査によると、7~9月期に企業向け融資の基準を厳格化した銀行は、緩和した銀行を18.62%上回り、同率は前期の1.35%から急拡大した。

同調査はユーロ圏の143銀行を対象に、9月21日~10月6日に実施したもの。「厳格化」と「緩和」の差は、とくにスペインで40%と高水準に達した。前期に「厳格化」が「緩和」を21.82%上回っていた個人向け融資については、20.04%と高止まり状態にある。

ECBは調査結果について、コロナ禍の影響が長引き、景気見通しが悪化していることで、借り手の信用リスクが高まっていることが背景にあると指摘。今後については、各国が経済支援措置をいつまで継続できるか不透明となっていることなどもあり、融資基準を厳格化する銀行が10~12月期に増えるとの見方を示した。

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