エルリングクリンガー―燃料電池開発・生産で仏社と合弁―

自動車部品大手の独エルリングクリンガーは10月28日、仏同業プラスチック・オムニウム(PO)と燃料電池分野で協業すると発表した。合弁会社EKPOフューエルセル・テクノロジーズを設立し、燃料電池スタックの開発と量産を行う。

新会社をエルリングクリンガーの本社所在地デッティンゲン・アン・デア・エルムスに設置する。出資比率はエルリングクリンガーが60%、POが40%。エルリングクリンガーはスタック分野の従業員150人強、特許150件強、ノウハウ、関連部品などの資産を持ち寄り、POは1億ユーロを投資する。

商用車、バス、乗用車、その他の乗り物向けにスタックを生産する。年産能力は当初、最大1万個。受注の拡大に応じて段階的に引き上げていく。

燃料電池車の市場規模については2030年に最低200万~300万台に拡大すると予想。新会社のスタック市場シェアを10~15%とし、売上高で7億~10億ユーロを獲得する目標だ。

エルリングクリンガーは今回、墺子会社エルリングクリンガー・フューエルセル・システムズ・オーストリア(EKAT)をPOに譲渡することも取り決めた。取引金額は1,500万ユーロ。POはこの買収により水素システムのエネルギー管理・制御事業を強化する。

合弁設立とEKATの売却は独禁当局の承認が必要。両取引とも来年1-3月期の完了を見込んでいる。

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