スペインの自動車内装部品大手グルーポ・アントリンは4日、車内の衛生環境の改善に取り組む複数の企業による共同プロジェクトに参加していると発表した。新型コロナウイルスの世界的な流行により、車内の空気清浄や消毒技術などの需要が高まるとみている。プロジェクトには、同国の工業エンジニアリング企業マキシ・インダストリーズ、3Dプリントソリューションのアエニウム・エンジニアリング、カスティーリャ・レオン自動車産業クラスター(FACYL)が参加している。
プロジェクトのひとつである「マイクロ・シンター・メンブレン(Micro Sinter Membrane)」では、車内の空気中に浮遊する病原体や微小粒子、汚染物質を除去するフィルター膜を開発する。アエニウム・エンジニアリングが多層テクニカルポリマーを用いたフィルター膜を開発し、マキシ・インダストリーズは生産工程の機械制御とデジタル管理を担当。FACYLはプロジェクト全体の調整と分析を行う。アントリンは技術的可能性の評価を担当する。同プロジェクトはスペイン産業通商観光省の支援を受けている。
もうひとつの「クリーン・インテリア」プロジェクトではアントリンが主導し、内装部材表面の殺菌技術を開発している。