食品配達仲介サイトを運営するスタートアップ企業、デリバリー・ヒーロー(ベルリン)は13日、韓国の同業ウーワ・ブラザーズを買収する計画の変更を現地の独禁当局から要求されていることを明らかにした。現地子会社で同国市場2位のヨギヨを放出することを計画承認の条件として提示されている。ニクラス・エストベルク社長は電話記者会見で「好ましい解決策でない」と述べ、当局に対案を提出する意向を表明した。
同社は昨年12月、ウーワを40億ドル(36億ユーロ)と評価して完全買収する計画を発表した。まずは同社株88%を取得。その後4年以内に残り12%を獲得する。買収資金については17億ユーロを現金、残り19億ユーロを新株の発行で賄う。ウーワの株主はデリバリー・ヒーロー株を計17%強、取得することになっている。
ヨギヨがデリバリー・ヒーローの売り上げに占める割合は10%未満と比較的小さい。だが、ヨギヨは急速に事業を拡大しているうえ、収益力も高いことから、デリバリー・ヒーローは手元にとどめたい考えだ。
デリバリー・ヒーローは当初、韓国市場の競争が厳しいうえ、ウーワを買収しても寡占企業にはならないとの判断から、独禁当局から買収計画を承認されるとみていた。エストベルク社長は独禁当局から計画の変更を求められたことを受け、買収実現が1~3カ月遅れる見通しだと述べた。