フランクフルト証券取引所を運営するドイツ取引所は17日、米投資情報サービス会社インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシズ(ISS)を買収すると発表した。ISSは近年、重要性を増しているESG(環境・社会・企業統治)に関する情報に強みを持つ企業。ドイツ取引所は同社を買収することで当該事業を強化し、先行するロンドン証券取引所グループなどを追撃する。
ISS株およそ80%を投資会社ジェンスター・キャピタルから譲り受ける。取引はISSを22億7,500万ドルと評価して実施することから、買収金額は約18億ドルとなる。規制当局の承認を経て買収手続きが来年上半期に完了すると見込んでいる。
ISSは世界33カ所に事業拠点を持つ。従業員数は2,000人。
鉱物採掘現場・縫製業などの低賃金や劣悪や労働環境、二酸化炭素(CO2)を大量に排出する石炭発電や鉄鋼業などに対する批判は近年、急速に強まっている。これを受け投資家の間でも企業が持続可能性原則を順守しているかに対する関心が向上。企業に対する投資をESG情報に基づいて行う傾向が強まっている。
ドイツ取引所はISSを傘下に収めることで、ESGデータとランキングの有力企業に浮上。ESG評価の高い企業で構成される株価指数などを拡充していく。