スペイン大手銀BBVA、サナデルとの合併が破談

スペイン2位銀行のバンコ・ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア(BBVA)と中堅銀行のサバデル銀行は27日、合併交渉を打ち切ったと発表した。BBVAがサバデルを事実上、買収する形での統合に向けて協議を進めていたが、買収額をめぐって折り合いがつかず、破談に終わった。

両行は16日、合併協議を行っていると発表。時価総額が250億ユーロのBBVAが同20億ユーロのサバデルを吸収する形での合併を予定していた。しかし、BBVAが提示した買収額(株式交換比率)をサバデルが低すぎるとして受け入れず、協議が打ち切られた。

スペインでは金融危機に直面した2008年から銀行の統合が進んでいる。超低金利の長期化とコロナ禍で経営環境が悪化する中、政府はさらなる統合によって業界の体力を強化しようとしており、9月に大手銀行のカイシャバンクとバンキアが経営統合で合意した。カイシャバンクが事実上、バンキアを買収する形で、統合後の新銀行の名前はカイシャバンクとなる。誕生する新銀行は国内金融市場で最大手に浮上する。

BBVAとサバデルも追随しようとしたが、実現に至らなかった。これを受けてサバデルは、新たな経営戦略を2021年1~3月期に発表する意向を表明。今後は国内事業に集中するとしており、傘下の英TSB銀行の売却に乗り出すことを示唆した。

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