工作機械業界、20年生産高30%減少見通し

独工作機械工業会(VDW)は11月25日、独業界の今年の生産高が前年比およそ30%減の120億ユーロ弱へと大きく落ち込む見通しを発表した。新型コロナ危機の直撃を受けているためで、ヴィルフリート・シェーファー専務理事は、景気指標は7-9月期(第3四半期)に改善したが、その後の感染第2波の到来で回復の見通しは遠のいたと指摘。危機前の2019年の水準に生産高が回復するのは数年先になるとの見方を示した。

1-9月期の新規受注高は前年同期を33%下回った。国内が27%、国外が36%の幅で減少した。第3四半期も29%減(国内26%減、国外30%減)と振るわない。

地域別でみると、アジアは中国を中心に需要が急速に回復しているものの、欧州は多くの国がロックダウンを再導入したこともあり厳しい状況が続いている。

顧客産業別では、コロナ危機の勝ち組である電機向けが堅調に推移している。同じ事情は医療機器、空調機器、食品・包装材にも当てはまる。

一方、自動車向けは振るわない。自動車の需要は世界最大の市場である中国で回復しているものの、自動車業界は車両の電動・IoT化など巨大な構造転換の只中にあることから、完成車メーカーとサプライヤーは投資予算の重点を電動車やデジタル化に移し、工作機械投資を削減している。

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