英乗用車生産、10月は18.2%減少

英自動車工業会(SMMT)は11月26日、同国の2020年10月の乗用車生産が11万179台となり、前年同月に比べ18.2%減少したと発表した。新型コロナウイルスの感染再拡大による制限措置や主要な輸出先の需要低迷が影響した。1~10月の累計は、前年同期比33.8%減の74万3,003台にとどまった。これは前年同期を37万9,308台(104億ポンド)下回る水準となる。

10月の乗用車生産は、国内向けが13.6%減、輸出向けが19.1%減と、いずれも大きく落ち込んだ。主要市場である欧州連合(EU)向けの輸出が25.7%減、米国向けも26.0%と大きく落ち込んだ。これに対し、アジアでは、日本向けが57.1%増、中国向けは9.7%増と伸びたものの、主要市場における大幅な落ち込みを相殺できなかった。

■ 商用車生産、10月は25.6%減少

SMMTによると、同国の10月の商用車生産は6,761台となり、前年同月に比べ25.6%減少した。国内向け(30.4%減)、輸出向け(21.1%減)のいずれも大幅な減少となった。1~10月の累計は、前年同期比18.1%減の5万934台だった。

SMMTは10月の大幅な減少について、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大後の経済回復に対する懸念や、英国とEUの自由貿易協定(FTA)締結に向けた交渉期限が12末月末に迫る中、「合意なき離脱」のリスクが高まっていることが影響したと指摘している。

■ エンジン生産、10月は20.1%減少

SMMTによると、同国の10月のエンジン生産は、前年同月比20.1%減の19万7,374基だった。国内向け(25.2%減)、輸出向け(16.4%減)のいずれも大幅に減少している。1~10月の累計は、前年同期比30.1%減の151万1,749基だった。

エンジン生産においては、新型コロナウイルスの感染拡大と「合意なき離脱」への対応で大きな資金負担が生じていることに加え、英国政府が国内の大気汚染対策としてガソリン車とディーゼル車の新車販売を2030 年までに禁止すると発表したことも今後の懸念材料となっている。英国政府は、今年2 月に販売禁止時期を当初の2040 年から2035 年に前倒ししたが、温室効果ガス排出量を50 年までに実質ゼロにするという目標の達成に向け、さらに5 年早める方針を固めた。

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