ドイツ連邦統計局が9日発表した10月の輸出高(暫定値)は営業日数・季節要因調整後の実質で前月を0.8%上回った。増加は6カ月連続。新型コロナウイルス感染症の流行に伴うロックダウン(都市封鎖)を実施する直前の2月に比べると6.8%低く、コロナ禍前の水準まで回復するには時間がかかりそうだ。
輸入高(暫定値)も前月を実質0.3%上回り、6カ月連続で増加した。2月に比べると5.2%低い。
10月の輸出高は1,120億ユーロで、前年同月を6.5%下回った。減少は8カ月連続。ユーロ圏向けが6.4%、欧州連合(EU)のユーロ非加盟国向けが1.9%、EU域外向けが8.0%の幅で落ち込んだ。中国向けは0.3%増の87億ユーロに拡大したものの、米国向けは10.5%減の99億ユーロへと後退した。
輸入高も前年同月比5.9%減の927億ユーロへと縮小した。EU域外からが9.2%、ユーロ圏からが5.1%減少。EUのユーロ非加盟国からは1.9%増加した。
貿易収支は194億ユーロの黒字となったものの、黒字幅は前年同月を8.9%下回った。経常収支は18.4%増の225億ユーロと2ケタ台の伸びを記録した。サービス収支の赤字が大幅に縮小したことが大きい。
1~10月の輸出高は9,921億ユーロで、前年同期を11.2%割り込んだ。ユーロ圏向けが12.5%、EUのユーロ非加盟国向けが7.7%、EU域外向けが11.3%減少した。
同輸入高は8,440億ユーロで、前年同期を8.9%下回った。すべての輸入先地域で減少。減少幅はユーロ圏が11.1%、EUのユーロ非加盟国とEU域外が各7.6%だった。
貿易黒字は前年同期比22.2%減の1,481億ユーロに後退。経常黒字も4.6%減って1,869億ユーロとなった。