研究開発型製薬工業会(VfA)によると、2020年に独市場に新規投入された特許薬(新薬)の件数は32件となり、前年を7件上回った。増加は2年ぶり(グラフ参照)。バイオ医薬品開発の独ビオンテックが米製薬大手ファイザーと共同開発した新型コロナウイルス用ワクチンも含まれる。21年も30件を超える見通しだ。
希少疾患用医薬品は13件と、前年の5件から大幅に拡大した。希少疾患は患者数の少ない疾患。欧州連合(EU)では人口1万人当たりの罹患者数が5人以下の病気と定義されていることから、域内の患者総数は最大でも25万6,000人にとどまる。
新規特許薬の件数が最も多かった疾患分野はがんで、10件に上った。そのうち4件は、投薬前に患者の遺伝子検査を行って薬効を確認するタイプの医薬品が占めた。
2位は炎症(免疫システムの異常)で5件だった。3位は感染症、造血疾患、代謝疾患で各4件。これに非炎症性神経疾患(3件)、心臓・循環器疾患(1件)、眼科疾患(1件)が続いた。