米自動車大手フォードのドイツ法人フォード・ヴェルケ(ドイツフォード)は12月17日、プラグインハイブリッド(PHV)タイプの配達車両にブロックチェーンとジオフェンシング技術を組み合わせることで都市の大気改善に寄与できるとする調査報告を発表した。2018年から英ロンドン、スペインのバレンシア、独ケルンで順次実施している実証試験が、電動の配達車両が都市の環境やモビリティの課題解決に役立つことを証明した。
試験車両はジオフェンシング技術により、例えば電気自動車(EV)専用ゾーンなどに進入した際に自動的にEVモードに切り替わる。ブロックチェーンはこれを補完する形で、実際にEVモードで走行したルートや距離、環境ゾーンへの進入・退出時間などを記録し、当局やフリート管理者などがデータを共有することができる。
フォードは実証試験に商用バン「トランジット」と「カスタム」のPHVモデルを数十台配備し、これまでに40万キロメートル以上の走行データを収集した。このうちケルンとバレンシアに配備した20台は、総走行距離21万8,300キロメートルの約半分となる10万5,600キロメートルを電気駆動のみで走行。ケルンではジオフェンシングゾーンが全体の70%を占めた。また、ヴァレンシアでは別電源の電気式冷却システムを装備したPHVを試験車両に採用し、ゼロエミッション効率を高めた。