工業ガス大手のリンデは13日、25メガワット(MW)級プロトン交換膜(PEM)電解槽をドイツ東部のロイナ化学工業団地に建設すると発表した。容量はエネルギー大手のシェルが独西部のラインラント製油所に設置した10MW級のPEM電解槽を抜いて世界最大となる見通し。2022年下半期に「グリーン水素」の生産を開始する。
リンデと英IMTパワーの合弁会社ITMリンデ・エレクトロリシスがPEM電解槽を建設する。電気分解には再生可能エネルギーを用いることから、生産される水素は環境に優しいグリーン水素となる。
生産能力は燃料電池バスおよそ600台分で、走行可能距離は延べ4,000万キロメートに達する。これによりCO2排出量を最大で年4万トン削減できるという。
リンデは同水素を自社の既存のパイプラインを通して産業顧客に供給。また液体化して地域の燃料スタンドと産業顧客にも販売する。