ドイツの自動車業界で生産調整の動きが広がってきた。車載半導体が世界的に不足していることを受けたもので、完成車メーカーもサプライヤーも生産ラインの停止などに追い込まれている。メディア報道によると、独自動車工業会(VDA)は半導体確保に向けて全世界で活動。ドイツ政府とも接触しているという。
フォルクスワーゲン(VW)は13日、ヴォルフスブルク本社工場で数日、減産を行うと発表。14日にはエムデン工場で18日から2週間、操業時間を短縮することも明らかにした。エムデン工場では従業員9,000人が操短の対象となる。
VWの高級車子会社アウディも14日、ネッカースウルムとインゴルシュタットの計2工場で操短を実施することを明らかにした。合わせて1万200人が対象となる。ネッカースウルムでは中型車「A4」のセダンとカブリオレの生産を18日から月末まで停止。インゴルシュタットでもA4と中型クーペ「A5」の生産ライン2本を21日から月末まで止める。
ダイムラーはコンパクトカーを製造するラシュタット工場の操業を15日に停止した。
BMWは現時点で生産調整を行っていない。サプライヤーとは常時、連絡を取っている。
部品メーカーではヘラーが14日、複数の工場で生産ラインの停止と再稼働を繰り返していることを明らかにした。コンチネンタルは「半導体業界のリードタイムを踏まえると、必要とする(半導体の)量を確保できるのは6~9カ月先だ」との認識を示した。