10万人当たりの感染数100人未満に=3カ月ぶり、変異種流行国からの入国は禁止へ

ドイツの人口10万人当たりの直近7日間の新型コロナウイルス新規感染者数が98人となり、およそ3カ月ぶりに100人を下回ったことが、ロベルト・コッホ研究所(RKI)の28日の発表で分かった。本格的なロックダウンの導入など感染防止策の強化が奏功した格好。ピーク時の12月22日には197.6人に達しており、半減した計算だ。

人口10万人当たりの直近7日間の新規感染者数はコロナ禍の状況判断で最も重視されている数値。政府はこれを50人以下に引き下げることを目指している。50人を超えると保健当局による感染ルートの追跡・遮断が難しくなり、最終的に医療崩壊につながる恐れがあるためだ。

コロナ禍が差し当たり峠を越えたことは他の指標からも見てとれる。27日の新規感染者数は1万7,553人で、前週同日の2万398人から減少した。ピーク時の12月18日には3万3,777人に達していた。

感染死者数も27日は941人となり、前週同日の1,013人から減少。ピーク時の1月14日(1,244人)より24%少ない。

1人の感染者が平均して何人を感染させたかを示す基本再生産数は0.87(7日間の平均値)にとどまった。これは100人の感染者が87人を感染させたことを意味することから、新規感染は減少している。同値が1を超えると拡大していることになる。

状況は改善に向かっているものの、コロナ規制を緩和する動きは出ていない。人口10万人当たりの新規感染者数が依然として高水準にあるうえ、従来の新型コロナウイルスに比べ感染力の高い変異種に感染する人が国内で出始めているためだ。

政府はこれを踏まえ、変異種流行国からの入国を原則的に禁止することを29日にも決定する。ホルスト・ゼーホーファー内相は28日、差し当たりポルトガル、英国、南アフリカ、ブラジルが対象になる見通しを明らかにした。物流には支障が出ないようにする考え。

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