仏製薬大手サノフィは1月27日、米ファイザーと独ビオンテックが共同開発した新型コロナウイルス用ワクチンを受託製造することでビオンテックと合意したと発表した。同ワクチンが世界中で不足していることから、増産に協力する。29日にはスイス製薬大手ノバルティスも、同様の受託製造で合意したと発表した。
サノフィは独自のコロナワクチン開発に取り組んでいるものの、進捗状況が思わしくなく、製造能力にゆとりがあることからビオンテックに協力し、独フランクフルトのヘキスト工業団地で製造する。まずワクチン製造に向けて生産設備を整備。ビオンテックから原料の供給を受け、今夏から計1億2,500回分をEU向けに製造する。契約額は明らかにしていない。
サノフィは英グラクソ・スミスクライン(GSK)と共同でタンパク質ベースの新型コロナワクチンを開発している。当初の計画では今年半ばの実用化を目指していたが、50歳以上の治験参加者で免疫反応が弱かったことから計画を変更。この結果、実用化の時期が10~12月期にずれ込む見通しとなっている。
サノフィはこれとは別に、米トランスレート・バイオと共同でメッセンジャーRNA(mRNA)ベースの新型コロナワクチンを開発している。これについては1~3発期に治験が始まるとの見通しを明らかにした。
ノバルティスはスイス北部のシュタイン・アム・ラインにある工場でファイザー連合のワクチンの瓶詰を行う。4~6月期に生産を開始し、第3四半期から出荷を始める見通しだ。生産規模は明らかにしていない。