英のコロナ死者が10万人突破、世界5カ国目

英政府は1月26日、新型コロナウイルス感染による国内の死者が10万人を超えたと発表した。死者が10万人を突破したのは欧州初。米国、ブラジル、インド、メキシコに次ぐ5カ国目となる。感染力の高い変異ウイルスの感染拡大もあって、さらに死者が増えるのは避けられない情勢だ。

英国では検査で陽性と確認されてから28日以内に死亡した人をコロナの死者として集計している。保健省によると、26日に新たに1,631人が死亡し、累計死者数は10万162人に達した。

死者数は英国で第2次世界大戦中に空襲などで犠牲となった民間人の数を3万人以上、上回る規模。人口10万人当たりの死者は147人で、欧州ではベルギー、スロベニアに次ぐ多さだ。

英政府は新型コロナウイルス感染拡大の当初、集団免疫を獲得することで乗り切る方針を示し、ロックダウン(都市封鎖)をはじめとする初動対応が遅れた。これが欧州で最も多い死者を出した主因として、政府に対する批判が強まっている。

政府は1月5日にイングランド全域でロックダウン(都市封鎖)を再導入した。また、英国は世界で初めて新型コロナのワクチンを承認し、年末から接種を開始している。しかし、変異したウイルスの感染が広まっていることなどから、感染拡大に歯止めがかからない。ジョンソン首相は記者会見で「教訓から学び、今後の対応に生かしていく」と述べた。

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