コロナ禍で包装ごみが増えたと言われる。ドイツ全国でどの程度、増えたかは現時点で統計がないが、筆者自身もそう感じている。容量60リットルのポリ袋が1週間で一杯になるからだ。
無責任な言い方かもしれないが、包装ごみが増えるのは避けられないと思っている。当局の「ステイホーム」要請に従って外食を控えれば、スーパーなどでの買い物の量はその分だけ増え、意識的に包装材入りの食品を避けない限り真空パック入りの肉などを買い込むことになる。
「肉をカウンターで買えば包装ごみを減らせるのではないか」と指摘されそうだが、「買い物の回数もできるだけ減らしましょう」というこれまた理にかなった要請に従えば、日持ちの良い真空パックに自ずと手が伸びることになる。カウンターで量り売りの品を購入するのは基本的にチーズだけになってしまった。
だが、包装ごみの増加は一時的な現象であろう。政治・経済・社会の長期トレンドは削減の方向に向かっているためだ。食品メーカーもその方向に舵を切っている。
500ミリリットル容器入りヨーグルトの蓋に最近、起きている小さな“異変”はその一例である。全メーカーの商品に当てはまるわけではないものの、アルミとプラスチックの二段構えの蓋がアルミだけに減っているのだ。大手のヴァイエンシュテファンもローカル企業のシュヴェルプヒェンもプラスチック蓋付きの商品を近所のスーパーで見かけなくなった。
ヴァイエンシュテファンのサイトをみると、「使い捨ての蓋を止めました」とのこと。プラスチックの使用量を年80トン減らせると強調している。コスト削減とイメージアップにつながることには一言も触れていないが、消費者もごみの量をわずかながら減らせるわけだから、ウィンウィンの取り組みと言えよう。