電機大手の独シーメンスは3日の決算発表で、2021年9月通期の業績見通しを引き上げた。20年10-12月期(第1四半期)の実績が良好だったためで、為替変動と事業の買収・売却を除いた実質ベースの売上高を従来予測の「緩やかな伸び率」から「1ケタ台半ば~後半の伸び率」へと上方修正した。同日付で退任するジョー・ケーザー社長は「力強い企業を新しい経営陣に引き渡せることを感謝する」と述べた。
同社は事業部門の業績見通しも上方修正した。デジタル産業の売上高営業利益率(調整済みのEBITAベース)を従来の17~18%から19~20%、スマートインフラを同10~11%から10.5~11.5%へと引き上げている。
20年10-12月期の産業部門のEBITA(調整済み)は21億2,800万ユーロとなり、前年同期を39%上回った。デジタル産業、スマートインフラ部門と医療機器子会社ヘルシニアーズが好調で全体が押し上げられた。産業部門の売上高は2%増の133億400万ユーロで、売上高営業利益率は11.7%から16.0%へと大きく上昇した。
同社全体の業績は売上高が3%増の140億7,100万ユーロ、税引き後利益が38%増の14億9,800万ユーロ。新規受注高は11%増の159億4,000万ユーロと2ケタ台の伸びを記録した。