ドイツ連邦陸運局(KBA)が3日発表した1月の乗用車新車登録台数は前年同月比31.1%減の16万9,754台と大幅に縮小した。新型コロナウイルスの感染拡大防止策の一環でディーラーの実店舗営業が禁止されたほか、景気テコ入れ策として昨年7月に導入された付加価値税(VAT)率の引き下げ措置が12月末で打ち切られたことが反映された格好。12月は駆け込み需要で約10%増え同月の最高を更新したが、1月はその反動が強く出た。
新車登録を動力源別でみると、ガソリン車は50.3%減少し、シェアは前年同月の51.5%から37.1%へと縮小。ディーゼル車も44.8%減と振るわず、シェアは32.6%から26.1%へと低下した。
環境対応車はこれまでに引き続き好調だった。特に購入補助金の対象となる電気自動車(EV)は117.8%増の1万6,315台、プラグインハイブリッド車(PHV)も138.3%増の2万588台と3ケタ台の伸びを記録。PHVを含むハイブリッド車(HV)全体では47.5%増えて4万5,449台となった。シェアはEVで3.0%から9.6%、PHVで3.5%から12.1%、HV全体で12.5%から26.8%へと伸びた。
走行1キロメートル当たりの新車の二酸化炭素(CO2)排出量は125.9グラムで、前年同月から16.9%減少した。環境対応車が大幅に増えたことが大きい。
車種別で増加したのはキャンピングカー(5.0%増)だけで、その他はすべて減少した。減少幅はミニバンで最も大きく63.6%を記録。これに大型バン(55.3%減)、スポーツ車(43.2%減)が続いた。SUVは26.4%減少したものの、シェアは21.9%でトップを保った。2位はコンパクトカー(32.2%減)で19.1%だった。
主要ブランドで増加したのはテスラ(23.4%増の453台)とボルボ(9.4%増の3,624台)だけだった。ドイツ車はポルシェが3.9%減の1,933台、オペルが16.8%減の1万220台、BMWが19.4%減の1万6,479台、VWが29.9%減の3万4,189台、メルセデスが31.2%減の1万7,912台、フォードが41.1%減の1万208台、ミニが41.5%減の1,812台、アウディが47.4%減の1万1,616台。
日本車は減少幅がすべて平均(31.1%)を上回った。各ブランドの実績は日産が33.4%減の1,987台、トヨタが33.9%減の3,626台、スズキが37.2%減の819台、レクサスが45.0%減の215台、スバルが57.8%減の157台、マツダが60.4%減の1,398台、三菱が66.7%減の1,406台、ホンダが70.1%減の286台だった。
日本車以外の主な輸入ブランドはフィアットが14.8%減の3,773台、ルノーが17.4%減の8,207台、シュコダが20.4%減の1万1,382台、セアトが22.8%減の8,044台、ジープが22.9%減の793台、アルファロメオが30.7%減の176台、起亜が34.5%減の3,024台、プジョーが35.1%減の3,335台、現代が49.0%減の4,194台、ダチアが49.9%減の1,909台、シトロエンが54.0%減の2,254台、ランドローバーが60.2%減の634台、DSが64.5%減の130台、双竜が65.6%減の45台、ジャガーが77.9%減の196台となっている。
一方、独自動車工業会(VDA)が同日発表した1月の国内乗用車生産台数は前年同月比23%減の26万2,800台へと後退した。営業日数が少なかったほか、半導体不足で操業に支障がでたことが背景にある。輸出台数も19%減って20万4,100台となった。
独メーカーの1月の新規受注台数は前年同月を5%弱、下回った。国内受注が39%落ち込み、足を強く引っ張った格好だ。国外は同1%増加した。