住友化学、ポーランドにPPコンパウンド工場を新設

住友化学(東京都中央区)は10日、ポーランドのポズナニにポリプロピレン(PP)コンパウンド工場を新設すると発表した。2021年3月に設立し、2022年春に操業を開始する計画。生産能力は年約3万トンとなる予定。

ポーランドの新工場(住化ポリマーコンパウンドポーランド:SPCP)は、住友化学の子会社である住化ポリマーコンパウンドヨーロッパの100%子会社として新設する。住化ポリマーコンパウンドヨーロッパは、イギリスのハンプシャー州に拠点を置き、SPCPのほか、英国、フランス、インド、トルコの拠点の持ち株会社として機能している。

住友化学によると、PPコンパウンドは、PPに合成ゴムやガラス繊維、無機フィラーなどを混ぜて機能性や剛性などを向上させた素材で、主に自動車のバンパーや内装材、家電製品に使用されている。住友化学グループは特に、ガラス短繊維強化PPコンパウンド(GFPP)を強みとし、例えば、バッテリーケースなどの自動車部品や洗濯機のドラムカバーケースなどの家電製品向けに世界市場で販売を拡大してきた。

同社では、ポーランドに隣接するドイツ東部やチェコには多くの自動車・家電メーカーの工場があるほか、環境規制の強化を背景にした電気自動車の普及により、PPコンパウンドの需要が今後も伸びると見込んでいる。

また、欧州連合(EU)のサーキュラー・エコノミー(循環経済)政策により、リサイクル品の需要がより一層、高まっていることから、英国やフランスの拠点に続きSPCPでも、リサイクルPPを60~100%含有するGFPPの生産を開始する計画。

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