リトアニア・エネルギー研究所(LEI)は12日、欧州連合(EU)の助成を受けて進めている「エナジーキーパー」プロジェクトで、電力貯蔵用の有機レドックスフロー電池(ORFB)の開発に成功したと発表した。プロジェクトを取りまとめるLEIシステム管理・自動化ラボのラドギウキナス室長は、「このバッテリーを用いることで、再生可能エネルギーを電力系統の周波数制御に役立てられるようになる」と成果を強調している。
エナジーキーパー・プロジェクトは3年前から、リトアニアのほか、ドイツ、オランダ、スペイン、イタリア、イスラエルの研究機関および米IBM、スイスのABBなどが参加するユニバーサル・スマート・エナジー・フレームワーク(USEF)が共同で進めてきた。開発されたORFBは、ヴァーヘニンゲン大学(オランダ)の試験センターの電力ネットワークで試験運用中だ。
ORFBは大型定置型蓄電池であるレドックスフロー電池(RFB)の一種。従来のRFBが無機物質である金属を電解液に用いるのに対し、有機物質を用いるのが特徴だ。