EUの4~6月期GDP、11.7%減に上方修正

欧州連合(EU)統計局ユーロスタットが14日に発表した2020年4~6月期の域内総生産(GDP)の最新統計によると、EUは実質ベースで前期比11.7%減となり、速報値の11.9%減から0.2ポイント上方修正された。それでもコロナ禍の影響で統計が開始された1995年以降で最大のマイナス成長となった。

前年同期比のGDPは14.1%減。0.3ポイント上方修正された。ユーロ圏は前期比12.1%減、前年同期比15.0%減で、こちらも過去最大のマイナス成長だった。

データが出そろっているEU20カ国は、すべてがマイナス成長。前期比の下げ幅はフィンランドが3.2%で最低、スペインが18.5%で最高だった。ドイツは10.1%減、フランスは13.8%%減、イタリアは12.4%減となっている。ユーロ圏ではすべての国が2期連続のマイナス成長となり、景気後退入りした。

一方、1月にEUを離脱した英国の政府統計局が12日に発表した同期のGDPは前期比20.4%減で、統計を開始した1955年以降で最大のマイナス成長を記録した。新型コロナ感染拡大防止に向けて経済・社会活動を制限する措置の実施がEU諸国と比べて遅かった分だけ、経済の再開が遅れたことや、英経済を支えるサービス業がコロナ禍の直撃を受けたことが反映された。

英国のマイナス幅はEU最悪のスペインや米国の9.5%を大きく上回り、先進国で突出している。GDPの80%を占める小売業などサービス業が19.9%減と大きく落ち込んだことが響いた。設備投資も31.4%減と急激に縮小した。

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