トルコのゲーム開発企業に対する関心が高まっている。開発コストが比較的低いほか、機動性が高く、ヒット商品の実績もあるためだ。米ジンガが相次いで買収を発表したこともトルコへの注目度アップにつながっている。
トルコ・ゲーム開発者協会によると、数週間でゲーム開発からダウンロード開始につなげられるスピードがトルコ・ゲーム企業の強みとなっている。トルコ政府がゲーム開発事業者に、アップルやグーグルのアプリストアが徴収する手数料を助成していることも大きい。さらに、ゲーム業界は海外での売上高全体の95%と圧倒的に多く、トルコリラ安が追い風となっている。
ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、カンターマン氏は、「東欧や中東は開発コストの低さとソフトウエア開発者の多さで西欧・北米よりも有利。このため、国際的なゲーム大手がトルコを含む中東・東欧の企業獲得に動いている」と指摘している。
スタートアップ関連調査会社のスタートアップス・ウォッチの調べによると、トルコのゲーム業界での買収・合併(M&A)は過去5年で約24億米ドル規模に上った。米ジンガは2018年5月にグラム、今年7月に7月にピーク(主要製品「キャンディー・クラッシュ・サガ」「トゥーンブラスト」)を18億ユーロで買収。8月にはロリック(同「タングルマスター3D」、「ビルド・ロード」)の株式の80%を1億6,800万ドルで取得すると発表した。
韓国のネットマーブルは2015年にジョイゲームを、中国の騰訊控股(テンセント)は昨年、マソモを傘下に収めている。
トルコ・ゲーム業界における起業数は昨年44社となり、スタートアップス・ウォッチがデータを取り始めた2015年以来で最高を記録した。今年はこれまでに5社が起業し、ゲーム業界のスタートアップ企業数は239社まで増加した。