フィンテックを手掛けるスウェーデンのスタートアップ企業ユニ(Juni)は9日、リトアニアの首都ビリニュスに製品開発拠点を設置すると発表した。同国ではすでにフィンテック企業が200社以上存在し、最近はダンスケバンクやSEBなど北欧の銀行がグローバルサービスセンターを設立するなど、エコシステムが確立してきたことが背景にある。ビリニュス拠点ではソフトウエア開発者、コンプライアンス担当者など専門家を多数起用し、事業成長を加速させる方針だ。
ユニは今年2月、既存の銀行サービスに不満を持つネット通販事業者やオンラインマーケティング会社のニーズに対応したサービスを提供するため、2人のスウェーデン起業家によって設立された。広告費キャッシュバック付きビザ・プラチナカードの提供、キャッシュフロー管理、インボイスと口座明細の照合、流動資金管理などのサービスを提供する。従業員は現在10人で、1年以内にソフト開発者、デザイナー、プロダクトマネージャーなど20~30人の増員を計画している。
ユニ初の公式サービスとなるデジタルビジネス向け融資プラットフォームはリトアニアのライルスバンクとの提携によるもので、公開前のユーザーによるベータテストをすでに終え、来年2月下旬にサービス開始する予定だ。11月には投資会社チェリーヴェンチャーズを中心とする複数の投資家から200万ユーロのシード資金を調達した。