ロシアのマキシム・レシェトニコフ経済大臣は14日、小麦の輸出に関税を課す方針を示した。食料価格上昇を食い止める政策の一環だ。この報せを受け、米国では同日、小麦需要が拡大するとの観測から先物価格が高騰した。
政府は来年2月15日から6月末まで、小麦輸出に対し1トン当たり25ユーロを徴収する。また、同時期の総輸出量を1,750万トンに制限する。
ロシアの穀物・オイルシード市場調査会社ソヴェコンは、輸出関税によりロシアの2020/21年度小麦輸出量は3,780~3,880万トンと、前年度から200~300万トン減ると予測する。
ロシアは世界でも有数の小麦生産国。今年は豊作だったにも関わらず国内価格が上昇し、プーチン大統領が先週、値上がりを批判したばかりだ。新型コロナの影響で7-9月期(第3四半期)に所得が4.8%と過去20年で最大の下げ幅を記録したこともあり、食品価格の上昇が国民の懐を直撃している。
政府は砂糖・ひまわり油についても対策を講じる。政府からの働きかけを受けてメーカー側が値下げを受け入れる姿勢で、近く小売業者と合意する見通し。価格が十分に下がらない場合は、ひまわり油に輸出関税を、サトウキビに輸入関税を課すことを検討する。