ポーランドの新興企業ネヴォモ(Nevomo、旧ハイパーポーランド)が、欧州の磁気浮上式鉄道導入に向けたプロジェクト「ハイパーネックス」に参加する。同社の特徴は、米国発のハイパーループに着想を得ながらも、まずは在来線のインフラを利用して段階的に実現を図るという構想にある。
ハイパーループは真空に近いパイプを車両が線路を使わずに走る。ネヴォモはこれを実現するに当たり、◇既存の線路を利用して最高時速550キロを達成◇既存インフラに真空技術をプラス◇線路なしのハイパーループを整備し最高時速1,200キロを達成――という手続きを踏むことを提案している。導入初期に特別なインフラを必要とせず、従来の鉄道と磁気浮上式鉄道が同じ路線を走れるというのが利点だ。
ネヴォモは昨年、ヒュター・プライベート・エクイティなどの投資会社やクラウドファンディングを通じて約90万ユーロを調達した。それ以前には公的機関から開発助成金を得た経歴がある。
ハイパーネックス・プロジェクトは、マドリード工科大学(UPM)が運営を担当し、欧州8カ国13企業・機関が参加する。費用は25万ユーロ。欧州連合(EU)の「ホライズン2020プログラム」から助成を受けている。年内に実験線の工事にとりかかる予定だが、立地は明らかにされていない。