バイエルが100億ユーロ超の赤字に転落

ライフサイエンス大手の独バイエルが25日発表した2020年12月期決算の純損益は104億9,500万ユーロの赤字となり、前期の黒字(40億9,100万ユーロ)から大幅に悪化した。農業化学部門の巨額特別費計上が響いた格好。営業利益(EBITDA、特別費計上前)は0.1%減の114億6,100万ユーロとほぼ横ばいを保った。

売上高は4.9%減の414億ユーロへと落ち込んだ。為替差損が響いた格好で、為替と事業ポートフォリオの変動を除いたベースでは0.6%増加した。売上高営業利益率(名目)は27.7%となり、前期の26.3%から1.4ポイント改善した。

農業化学部門では特別費204億2,000万ユーロを計上した。発がん性の疑いが持たれている除草剤「グリホサート」の法務費用と、北米市場の需要減に伴う評価損が響いた格好だ。売上高は5.0%減の188億4,000万ユーロ、EBITDA(特別費計上前)は3.8%減の45億3,600万ユーロで、売上高営業利益率は前期の23.8%から24.1%へと上昇した。

医療用医薬品部門はEBITDA(同)が2.6%増の60億1,600万ユーロへと拡大した。売上高が4.0%減の172億4,300万ユーロへと縮小したことから、売上高営業利益率は32.6%から34.9%へと上昇した。

一般医薬品部門は売上高が7.5%減の50億5,400万ユーロ、EBITDA(同)が2.5%減の11億1,400万ユーロで、売上高営業利益率は20.9%から22.0%へと高まった。

21年12月期は売上高で約420億-430億ユーロ、EBITDA(同)で112億-115億ユーロを見込む。売上高営業利益率は約27%となる見通しだ。

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