工作機械業界、今年は生産高6%増を予想

ドイツ工作機械工業会(VDW)は22日、独業界の2021年の生産高が前年比6%増の約126億ユーロとなり、3年ぶりに拡大するとの予測を発表した。コロナ禍からの回復が進む中国が世界経済をけん引するほか、米国のバイデン政権成立もプラス材料になるとみている。

新規受注高は35%増えて、前年の落ち込みが相殺される見通し。最大の顧客産業である自動車が中国市場の回復を受けて投資を再拡大すると予想している。

20年の業界生産高は前年比31%減の118億4,000万ユーロ(推定値)と大幅に縮小した。機械本体の生産高が31%、部品・付属品が同27%減とともに振るわなかった。工場稼働率は70.9%で、前年の88.4%から17.5ポイント低下。直近のピークである18年(93.9%)からは23ポイントも落ち込んだ。

新規受注高も30%減の85億8,000ユーロと激減し、2年連続で大きく落ち込んだ。18年の174億6,000万ユーロからは半分以下に縮小している。国内受注が前年比35%減の26億6,000万ユーロ、国外が同28%減の59億2,000万ユーロだった。

工作機械の輸出高は70億6,900万ユーロで、29%減少した。欧州向けが31%減少。欧州連合(EU)加盟国向けは35%落ち込んだ。東アジア向けは32%減、東南アジア向けは25%減、北米向けは15%減だった。国別では最大の仕向け先である中国が34%、2位米国が17%、3位ポーランドが30%の幅で縮小した。日本は33%減の1億2,950万ユーロで17位。上位30カ国のなかで増加したのはカナダ(6%増の8,560万ユーロで22位)だけだった。

輸入高は23億5,080万ユーロで、前年を38%割り込んだ。輸入先国上位3カ国の実績はスイスが38%減の6億2,060万ユーロ、日本が42%減の2億2,370万ユーロ、イタリアが47%減の1億9,630万ユーロだった。

世界の工作機械生産高に占めるドイツの割合は16%で、中国に次ぐ2位となった。3位は日本という。世界輸出高に占めるドイツの割合は20%で、中国、日本を抑え首位を保った。

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