分散型再生可能エネルギーと定置用充電池を組み合わせた電気自動車用の充電インフラを開発するドイツの研究プロジェクト。
充電インフラ、定置用リチウムイオン電池、太陽光発電(PV)システム、中電圧電源を使用して、直流(DC)配電網で連結した規模の拡大が可能な(スケーラブルな)充電システムの開発に取り組む。
電気自動車の普及により、大量の車両が同時に充電すると、電力網の安定が脅かされるリスクがある。電気自動車の充電は、例えば、職場での始業開始後や自宅に帰宅後の夕方に集中する可能性がある。
当該プロジェクトでは、さまざまな規模の駐車スペースに対応可能な、複数の充電スタンドを設けることができる充電インフラの開発に取り組む。
電気自動車の直流(DC)充電設備では、充電機器が充電スタンドに内蔵されている。このため、充電スタンドのコストが高くなる課題がある。
当該プロジェクトでは、この充電器を部分的に充電スタンドから分離して中央制御化し、直流(DC)ネットワークを通して複数の充電スタンドに電力を配分する仕組みを構築する。
これにより、コストを削減することができるほか、駐車スペースの規模に合わせて複数の充電スタンドを設けることが可能になる。
プロジェクトでは、10台を充電することができるデモンストレーション用の充電インフラを構築する。太陽光発電システムの出力は約100キロワットピーク、定置用電池の容量は約50キロワット時とする計画。
プロジェクトには、ドイツのカールスルーエ技術研究所(KIT)、自動車部品大手のボッシュ、インバーターやコンバーターなどを製造するPowerInnovation Stromversorgungstechnikが参加する。
実施期間は2020年11月1日~2023年10月31日。プロジェクト予算は総額430万ユーロ。ドイツ連邦経済エネルギー省がプロジェクトを資金支援している。