独自動車工業会(VDA)は2日、業界内を横断してデータ交換を行うためのネットワークを構築すると発表した。デジタルトランスフォーメーション(DX)に伴う課題に効率的に対応し独業界全体の競争力を高めることが狙い。欧州クラウド構想「ガイアX」に基づく取り組みとなる。ペーター・アルトマイヤー経済相は「インダストリー4.0の高度にスケーラブルな具体的な事例が生まれる。他の業界にも刺激を与え、ガイアXの欧州的な価値が実現される」と述べた。
「カティーナ-Xオートモティブ・ネットワーク」というネットワークを立ち上げる。イニシエーターは自動車大手BMW、サプライヤー大手ボッシュ、ZFフリードリヒスハーフェン、電機大手シーメンス、電気通信大手ドイツテレコム、IT大手SAPの6社。このほか乗用車大手メルセデス・ベンツや化学大手BASF、フラウンホーファー協会など計10の企業・機関が構築に参画する。中小企業が活用することを特に重視している。
カティーナ-Xでは自動車の全バリューチェーンでデータ・情報交換の標準を創出するとこで、企業内のプロセスと企業間の協業を加速し、業界全体の競争力を高めていく。同ネットワークに参画する企業は例えば、自社データ管理の簡素化、物流プロセスの改善、二酸化炭素(CO2)排出データの透明化などの恩恵を受けることができる。ITインフラ投資予算の小さい中小企業にとっては大きなメリットとなる。
差し当たり品質管理、物流、メンテナンス、サプライチェーン管理、持続可能性の5分野でプロジェクトを実施する。