ドイツ連邦陸運局(KBA)が3日発表した2月の乗用車新車登録台数は前年同月比19.0%減の19万4,349台へと縮小し、2カ月連続で2ケタ減となった。新型コロナウイルスの感染拡大防止策の一環でディーラーの実店舗営業が禁止されているほか、景気テコ入れ策として昨年7月に導入された付加価値税(VAT)率の引き下げ措置が12月末で打ち切られたことが前月に引き続き反映された格好。特にマイカーとしての登録が26.8%減と大きく落ち込んだ。社用・公用車は15.2%減だった。1~2月の新車登録台数は36万4,103台で、前年同期を25.1%下回った。
2月の新車登録を動力源別でみると、ガソリン車は41.4%減と特に大きく後退。シェアは前年同月の52.1%から37.7%へと低下した。ディーゼル車も35.0%減と振るわず、シェアは31.6%から25.4%へと落ち込んだ。
環境対応車はこれまでに引き続き好調だった。特に購入補助金の対象となる電気自動車(EV)は124.2%増の1万8,278台、プラグインハイブリッド車(PHV)も161.9%増の2万1,879台と3ケタ台の伸びを記録。PHVを含むハイブリッド車(HV)全体では75.7%増えて5万2,704台となった。シェアはEVで9.4%、PHVで11.3%、HV全体で27.1%に達した。
走行1キロメートル当たりの新車の二酸化炭素(CO2)排出量は126.5グラムで、前年同月から15.4%減少した。環境対応車が大幅に増えたことが大きい。
車種別でみると、ミニバンが65.4%減と大きく後退した。コンパクトカーは27.4%減、小型車は14.3%減、SUVは12.7%減だった。中大型車は6.4%増、超小型車は5.2%増、大型車は4.1%増と前年同月を上回った。シェア1位はSUVで22.2%。これにコンパクトカーが18.6%、小型車が14.3%で続いた。
増加率が特に大きかったブランドはEV専門のテスラ(180.0%増の1,918台)とスマート(123.0%増の1,550台)で、伸び率はともに3ケタ台に達した。他の主要ブランドで増加したのはランドローバー(23.4%増の1,071台)、ミニ(18.6%増の3,312台)、双竜(8.4%増の129台)、ポルシェ(3.6%増の1,797台)だけだった。
スマートとポルシェ以外のドイツ車はBMWが6.3%減の1万6,508台、VWが9.7%減の4万115台、アウディが11.0%減の1万7,054台、オペルが11.3%減の1万2,443台、メルセデスが28.3%減の1万6,901台、フォードが40.1%減の1万382台となっている。
日本車はすべてのブランドで減少幅が平均(19.0%)を上回った。各ブランドの実績はトヨタが23.5%減の4,554台、日産が29.2%減の2,356台、スバルが31.8%減の306台、レクサスが37.8%減の163台、スズキが52.3%減の993台、三菱が55.9%減の1,873台、マツダが59.6%減の1,421台、ホンダが62.8%減の288台。
日本車以外の主な輸入ブランドはアルファロメオが2.0%減の250台、プジョーが7.5%減の4,012台、ボルボが16.5%減の3,593台、ルノーが16.9%減の7,830台、シュコダが18.5%減の1万2,120台、フィアットが21.1%減の4,993台、現代が23.7%減の6,511台、セアトが24.5%減の8,472台、シトロエンが25.4%減の3,290台、起亜が31.0%減の3,878台、DSが33.3%減の148台、ジープが36.7%減の701台、ジャガーが45.0%減の367台、ダチアが51.3%減の1,805台だった。ボルボ・カーズ傘下の電動車ブランドであるポールスターは104台。前年同月比のデータは公表していない。
一方、独自動車工業会(VDA)が同日発表した2月の国内乗用車生産台数は前年同月比17%減の32万3,600台へと後退した。半導体不足で操業に支障が出ていることが背景にある。輸出台数も19%減って23万2,900台となった。1~2月の累計は生産台数が前年同期比23%減の56万700台、輸出台数が同23%減の41万1,900台だった。
独メーカーの2月の新規受注台数は前年同月を8%上回った。国外受注が、不振だった前年同月の反動で13%増えたことが大きい。国内は同12%落ち込んだ。