独がロシアのワクチン調達を計画

ドイツ政府はロシアが開発した新型コロナウイルス用ワクチン「スプートニクV」を単独で調達する方向だ。欧州連合(EU)が共同調達しない方針を打ち出したことから、確保に向けて自ら交渉を行う。イエン・シュパーン保健相が8日、ラジオ局WDR5に明らかにした。

EUが承認したワクチンはこれまで、欧州委員会が承認に先立ってメーカーと調達契約を結び、加盟国に供給する体制を取ってきた。スプートニクVについては欧州医薬品庁(EMA)が3月から審査を行っているものの、欧州委は共同調達の対象に加えない意向だ。同委のティエリー・ブルトン委員(域内市場担当)は7日、EUはすでに他のメーカーのワクチンを十分に確保しており、新たなワクチンの購入交渉を行う必要はないとの見解を表明した。

独政府はEUを通したスプートニクVの調達を求めていたが、欧州委が拒否したことから自力調達へと方針を転換した。シュパーン保健相は、同ワクチンをEUが承認することが調達の前提になると指摘。また、ロシアがどの程度の量を供給できるかが明らかにされなければならないと述べた。

ドイツではワクチンの供給不足を背景にスプートニクVを州レベルで調達する動きが出ており、バイエルン州のマルクス・ゼーダー首相は7日、計250万回分を購入する方向で仮契約を結んだことを明らかにした。EUの承認後に同州西部のメーカーが受託生産することになっている。メクレンブルク・フォーポマーン州も同ワクチンを調達する意向だ。

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