ドイツ連邦統計局が3月30日発表した2月の輸入物価指数は前年同月比1.4%増となり、2019年4月以来1年10カ月ぶりに上昇した。世界経済が新型コロナ危機から回復していることが反映された格好だ。
輸入物価を最も強く押し上げたのは中間財で、4.0%上昇した。上げ幅は特に鉄鉱石(39.7%)、非鉄金属鉱石(19.2%)、銑鉄・鉄鋼・鉄合金(13.8%)で大きかった。
エネルギーも5.2%上昇した。電力は欧州全体の供給過多を受けて昨年2月に価格が下落していた反動で上昇率が128.1%に達した。天然ガスも同24.2%に上った。石炭は1.3%、原油は0.1%にとどまった。石油製品は4.6%下落している。エネルギーを除いた輸入物価は前年同月比1.0%増だった。
投資財は0.9%低下した。タブレット端末とスマートフォンがそれぞれ5.6%、4.2%下落。ノートパソコンは1.6%、自動車・自動車エンジンは0.8%上昇した。
耐久消費財は1.4%落ち込んだ。非耐久消費財はマイナス1.1%。動植物油脂が15.7%上昇したのに対し、豚肉は28.0%、家禽肉は9.2%下落した。
農産物も0.4%低下した。豚は下げ幅が48.7%に達している。天然ゴム(+37.3%)、穀物(+12.3%)、コーヒー生豆(+8.3%)は大きく上昇した。
輸入物価指数は前月比では1.7%増と大きく上昇した。上げ幅はエネルギーで8.4%、中間財で1.9%、農産物で1.8%を記録。耐久消費財(+0.3%)、非耐久消費財(+0.3%)、投資財(+0.1%)も上昇した。
2月の輸出物価指数は前年同月比0.7%増となり、2カ月連続で上昇した。前月比も上げ幅が0.5%に上った。