ドイツ連邦統計局が20日発表した3月の生産者物価指数は前年同月を3.7%上回り、上げ幅は2011年11月以来9年4カ月ぶりの高水準となった。エネルギーと中間財が全体を強く押し上げた。
エネルギーは8.0%上昇した。上げ幅は石油製品で17.7%と特に大きく、液化石油ガスは53.4%、灯油は44.6%、自動車燃料は17.4%に達した。
電力も9.6%高くなった。取引所価格は上げ幅が68.3%と特に大きい。このほか再販事業者と特別契約顧客向けがそれぞれ15.8%、11.3%に上った。
天然ガスは8.2%の上昇。上げ幅は取引所価格で96.1%、産業向けで28.7%、発電所向けで26.1%と特に大きかった。
ドイツでは二酸化炭素(CO2)の排出を有償化するカーボンプライシングが年初から導入された。これを受けて石油と天然ガスの価格は押し上げられている。
中間財は製造業の景気回復を背景に5.7%増となり、11年7月以来の大きな伸びを記録した。金属二次原料が46.8%、飼料が15.9%、金属が12.9%上昇。非鉄金属と銑鉄・鉄鋼・鉄合金の上げ幅はそれぞれ17.9%、17.5%に上った。電子部品は9.5%低下した。
投資財は0.9%、耐久消費財は1.4%それぞれ上昇した。
非耐久消費財は1.4%低下した。食料品が2.5%下落。豚肉の下げ幅は20.8%に上った。バターは8.6%増となり、上昇に転じた。
生産者物価は前月比でも0.9%増となり、7カ月連続で上昇した。上げ幅は中間財で1.6%、エネルギーと非耐久消費財で0.9%に上った。耐久消費財と投資財は0.1%だった。